整形外科で注目される再生医療:PDF-FD療法とは
整形外科で注目される再生医療:PDF-FD療法とは
当院では2025年11月から、再生医療の一種である「PDF-FD療法」を導入いたしました。
関節・腱・靱帯など、運動器に起こる“変性”や“損傷”は、保存療法(薬・物理療法・運動療法)だけでは改善しにくいケースがあります。
そこで注目されているのが「自身の血液や組織の修復機能を活用する」再生医療です。
その中でも、waqoo社が提供するPDF-FD(Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dry/血小板由来成長因子濃縮凍結乾燥製剤)は、血液由来の成長因子を濃縮・加工して用いる次世代型の治療選択肢です。
● PDF-FD療法の仕組み
- 患者さんご自身の血液を採取し、血小板が放出する成長因子(PDGF、TGF-β、VEGFなど)を抽出します。
- 白血球などの細胞成分を除去し、成長因子のみを高濃度で濃縮します。
- さらに凍結乾燥(Freeze Dry)することで、品質の安定化と長期保存が可能になります。
- 加工後、この成長因子濃縮物を関節・腱・靱帯などの患部に注入し、修復環境を整え、炎症を抑え、組織の回復を促進します。
● PRP療法との違い
どちらも「自己血液由来」を活用する再生医療ですが、成分・加工・保存性・炎症反応に違いがあります。
| 比較項目 | PRP療法 | PDF-FD療法(当院導入) |
|---|---|---|
| 主な成分 | 多血小板血漿(血小板+血漿) | 血小板由来成長因子のみ(無細胞化) |
| 加工 | 遠心分離してそのまま注入 | 抽出・濃縮後に凍結乾燥し安定化 |
| 炎症反応 | 白血球混入により一時的炎症が出やすい場合あり | 無細胞化により炎症反応が出にくい傾向 |
| 保存性 | 基本は当日使用 | 長期保存可(計画的な複数回投与もしやすい) |
| 適応の目安 | 軽度~中等度の関節症・腱障害など | 同様に軽度~中等度での有効性が報告。進行例では反応低下傾向 |
| 費用の目安 | 概ね 10~15万円台(施設差あり) | 概ね 15~20万円台(施設差あり) |
※上記は一般的傾向です。最終判断は症状・画像所見・既往歴等を踏まえ医師がご提案します。
● 当院におけるPDF-FD療法の位置づけ
- 手術を避けたい/時期を遅らせたい方に、保存療法と併用する再生補助療法として提案。
- 対象:軽度〜中等度の変形性関節症(膝・肩・股など)、腱・靱帯の慢性炎症や術後修復サポート。
- 実施前に症状・画像を評価し、効果・限界・費用・リスクを丁寧に説明。
- 実施後は注入のみで終えず、リハビリ・運動療法・体重管理を併用して効果最適化。
● 医学的根拠(代表例)
Ohtsuru, T. et al. (2023)
Freeze-dried noncoagulating platelet-derived factor concentrate is a safe and effective treatment for early knee osteoarthritis.
Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy. PubMed ID: 37380754312名の膝変形性関節症患者に単回注入し、12か月後に62%が有効反応(OMERACT-OARSI基準)、副作用6%と報告。
● 注意点・限界
- 保険適用外の自由診療。費用・回数・持続期間は状態で異なります。
- すべての方に同等の効果が出るわけではありません。リハビリ・生活習慣の改善が重要です。
▶ 詳しくはこちら:松宮整形外科|PDF-FD療法のご案内